獣医師yukaの犬猫ブログ

病気予防に関することを発信してます

実はこわいノミ、マダニ ~痒いだけじゃありません!命に関わることもあるんです!~

こんにちは、獣医師のユカです

 

 

今回は予防第三弾!

最後はノミ、マダニの予防についてです

 

 

☐ノミ、マダニの予防薬はいつまで必要?

☐外に出ないから必要ないでしょ?

☐最近聞くSFTSって何?

☐ノミがいた!マダニがいた!どうしたらいい?

 

これらの疑問が解決すると思います

 

ノミ、マダニもしっかり予防しておかないと

命に関わります

ぜひ最後まで読んで、愛犬愛猫の健康を守ってください!

 

 

 

まずはノミについて

 

 

 

ノミはこのように成長します

 

 

また、ノミの成虫は全体の約5%といわれているので、ついてる1匹を取り除いたとしても、予備軍がたくさん潜んでいます



 

 

 

 

ずっと室内で飼っているから大丈夫、と思っている方も多いですが

人について入ってきてしまうことがあります

室内に入ってきてしまうと、室内はとてもいい環境なのですぐ増えます

なので、室内飼いであっても、ノミの予防は必須です!!

 

 

ノミがもたらす病気には

 

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミ刺咬症

瓜実条虫症

猫ひっかき病

 

などがあります

 

 

〇ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に過剰反応が起こり、激しい痒みや湿疹、脱毛などが起こります

ノミに咬まれた箇所以外の皮膚にもかゆみや炎症がみられます

皮膚炎の症状は尾根部、腰部、腹部によくみられます

 

 

〇ノミ刺咬症

ノミに咬まれた部分に激しい痒みが起こります

かきむしることで、傷口から細菌が入り込み、二次感染を引き起こすことがあります

これは人でも起こります

 

 

〇瓜実条虫症

ノミが媒介する寄生虫です

サナダムシとも呼ばれています

ノミを口から取り込むことで、瓜実条虫が小腸に寄生します

便に白っぽい粒がでてきたら寄生してる可能性大です

でてきた粒と便をもって病院にいきましょう

瓜実条虫 - Wikipedia

 

 

〇猫ひっかき病

ノミを媒介してバルトネラ菌に感染した猫がひっかいたり、噛みついたりすることで人が感染します

バルトネラ菌は猫には無害です

人に感染すると、リンパ節が腫れたり、発熱、頭痛などの症状がでます



 

 

ノミが大量に寄生すると、貧血をおこすこともあります

 

 

ノミが寄生しないように、しっかりと薬を投与して予防しましょう

 

 

 

 

次にマダニについて

 

 

 

このようなかんじで成長します

マダニは草むらなどに潜んでいるため、

散歩に出るわんちゃんは要注意

 

 

 

山や草むらに行った後はマダニがつきやすい部分をチェックして、ついていないか確認してください

 

 

 

マダニは様々な感染症を媒介します

 

〇犬バベシア症

マダニによって媒介されたバベシア原虫が赤血球に寄生し、赤血球を破壊することで貧血が起こります

重度の場合、死に至ります

 

 

 

〇猫ヘモプラズマ感染症

マダニによって媒介されたヘモプラズマという細菌の一種が赤血球に寄生し、赤血球が異物として認識され、破壊されることで貧血が起こります

最悪の場合、死に至ります

 

 

〇ライム病

マダニによって媒介されたボレリア菌という細菌により起こる病気です

人にも感染します

犬猫では元気消失、食欲不振、跛行、発熱がみられます

人では刺咬部を中心とした特徴的な遊走性紅斑、発熱、リンパ節腫脹、関節痛などの症状がでます

 

 

〇SFTSウイルス感染症重症熱性血小板減少症候群

SFTSウイルスをもったマダニに吸血されることで感染する病気です

2009年に中国で発見され、2013年に日本で初めて人の死亡例が報告されました

人での死亡率は10~30%です

非常にこわい病気です

 

犬では一般的に無症状です

まれに発熱や食欲不振、白血球減少や血小板減少がみられます

 

では食欲不振、発熱、嘔吐、血小板減少、白血球減少、黄疸などの症状がでて重篤します。致死率も高いです。

 

では発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状、リンパ節腫脹、血小板減少、白血球減少などの症状がみられます

 

はマダニに咬まれても感染しますが、感染した犬や猫からうつることもあります

犬では症状が出にくいので注意が必要です!!

気づかないうちに愛犬が感染して、飼い主さんに感染しちゃったら大変!!

 

マダニに咬まれないのが一番の予防です!!

予防薬をしっかり投与して、マダニがつかないようにしましょう

 

 

 

 

日本紅斑熱

マダニによって媒介されたリケッチアにより人に起こる病気です

39~40度の高熱、頭痛、悪寒、倦怠感、発疹(紅斑)などの症状がでます

 

 

 

マダニが大量に寄生すると貧血を起こすこともあります

 

 

 

ノミ、マダニをしっかり予防しないとこんなに多くの病気になる可能性があります

ノミ、マダニがついたら駆除しようでは手遅れです

 

ノミ・マダニの危険性と対策について - 犬の美容室いちご

 

 

もし、ついてしまったらすぐに病院にいってください

マダニは無理矢理とってはいけません

がっちりくっついていて、無理にとると、一部が残ってしまうことがあります

また、市販の薬は効果が弱いことが多いので

病院にいって薬をもらいましょう

 

ノミ、マダニの予防薬は、飲み薬、チュアブル錠、スポット剤などがあります

1カ月に一回投与のものや、3カ月に一回投与のものがあります

病院によって扱っているものは異なるので、かかりつけの病院で相談してみてください

 

 

 

ノミ、マダニの予防は通年が基本です

夏には数が増えますが、冬にもいます

一年を通してしっかり予防しましょうね